【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー1− 病は心の影・・・ 病は気からという言葉があります。事実、多くの病気の原因は、身体の免疫力の低下によるものと言われており、そんな免疫力は精神状態に大きく左右されます。たとえば笑うことで免疫力が活性化されるという研究結果に注目し、ガン治療に漫才鑑賞を取り入れたホスピスもあるほどです。また中国の医学界の実験では、偽薬(小麦粉)でもそれを与える医者に信頼があれば、80%以上の患者に一定の薬の効果が得られるという結果が出ています。つまり、薬が病を治すのではなく、気持ちが病を治すということなのでしょう。高名なガン専門医の「私たちは、患者自身の病気を治そうとする力を補助するだけ」という言葉も、その患者自身の免疫力や精神力の重要さを物語っています。 このように病気を治すのが「気」なら、なぜ病気になったのかも考えてみる必要があります。それは、病気になることによって気づかされる「何か」があるからです。病気を単に悪者としてとらえるのではなく、自分を見つめ直すきっかけと考えたとき、その本当の原因が見えてきます。暴飲暴食、働き過ぎ、無理しすぎ・・・といった行動は、ストレスや不安や抑圧といった心の問題から起こるものです。そんな心の問題を解決しない限り、本当の健康は手に入れられません。 このことは、環境問題においても同じであると、私は思います。環境破壊が地球の病気だとすると、その原因は表層的には開発や経済発展による破壊現象ですが、根底は人々の心の問題に起因しています。また、戦争が社会の病気だとすると、その根底にも人々の心の問題が大きく横たわっています。環境破壊や戦争が無くならない今、私たちはこのことによって気づかされる「何か」にスポットを当て、自分の心の問題としてとらえることが大切ではないかと思っています。実は、その「何か」を模索することが、私のガイアをはじめるきっかけでもあったのです。この「メンタル・エコロジー」では、目には見えない心の問題について、語っていきたいと思います。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー2− 心っていったい何? 心とは何でしょうか。医学的には心の動きを心理と呼び、それは脳によって営まれていると考えられています。しかし「心」を示すとき、胸を押さえたり、ハートと呼んだり、昔から心臓を意味することも多いようです。それを裏付けるように、最近の医学研究では、心臓にも脳と同じような機能が備わっていると論じられはじめています。 では、心とは脳と心臓なのか・・・というと、そんなに単純ではありません。両者はすべての細胞から発せられる情報を集約する場なのです。人間の細胞は約60兆ほどあると言われています。その一つ一つが神経で脳とつながり、血管で心臓とつながっています。とすれば、それぞれの細胞に情報を発信する心と、生命を維持する身体があると考えるほうが自然でしょう。そこから届く情報を整理して、脳や心臓はやるべきことを行い、同時にすべての細胞に情報とエネルギーを伝達しているのです。つまり、心は体全身に宿っているというわけです。それも、細胞のレベルではなく、原子のレベルで・・・ フランスの生物学者ジャック・モノー氏の書いた『偶然と必然』という書物には、生命の基となるタンパク質が、自らの個体を作り維持するために、状況を判断し、必要な物質を結合させるとあります。また、それは単なる化学的反応ではなく、生命という「場」の中で、物質自身がある目的のために結合しあうというのです。そこには明らかに心が宿っていると言っても過言ではありません。 しかし、私たちはそんな身体全身から発せられる心の声を聞いているでしょうか。とかく脳で物事を考えがちです。そのために起こる心身のアンバランスやストレス。それが元で病となり、改めて脳に気づかせようとするのかもしれません。健康や環境を意識し、自然食やエコロジー雑貨を利用する私たちでさえ、とかく表面的な情報に振り回され、頭でっかちになりがちです。あれはだめか、これは良いかと、あれこれ悩む方も多いと思いますが、まずは考えるのではなく、身体で感じることが重要だと思います。では、どうすれば身体で感じることができるのか・・・。そんな心の体感についてふれていきましょう。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー3− 体感から得られるもの 心の体感・・・というのは、固定概念を捨てて、意識を全身の細胞に預けることからできるものです。しかし、脳で物事を考えがちな私たちにとって、これは簡単なことではありません。補助的な方法として、Oリングテストや、気功法、波動測定法などで、身体から発せられるメッセージを分かりやすく実感できたりしますが、それらは身体自体をアンテナにして、意識とは別の領域にある心の声を導き出そうとする手法なのです。 このように私たちの身体は心の発信地であると同時に、高性能の受信機でもあります。それだけに、五感で得る感覚に素直になり、考えるのではなく感じようとすることで、何が良いか良くないかが分かることも多々あります。また、五感を越えた第六感で危険を察知したり、霊的な経験をしたりすることも、「体感」の一つでしょう。 時代が進歩すればするほど、謎の深まる生命や物質の根元に、科学では答えられない何かを感じている方も多いはずです。とはいえ、神のなせる業として盲信するのは、単純すぎます。偶然ではなく、すべてが必然という説からすれば、生命や物質にはそこに存在する意味があり、その存在のためにつながりあっているのです。それが、まさに地球の生態系であり、そのことを体感できるかどうかが、環境問題の解決に大きく関わっています。昨今のエコロジーブームは、とかく技術的で経済的な面ばかりにスポットが当てられがちですが、本質的には私たちの感性が問われているのではないでしょうか。 そんな中、「体感」から得られる新しい流れも注目されています。たとえば、科学では解明できないことへの理解が広まりつつあることや、シュタイナーなどの思想が受け入れられていることも、そんな流れの一つでしょう。また、1年を13ヶ月で分けた暦も話題を呼んでいますが、一ヶ月28日というサイクルは、人の肌が生まれ変わるサイクルと同じであり、肉体的周期とも深く関係しています。これらの思想は既存の科学合理主義とは異なり、スピリチュアルな感性から導き出されています。 思想では平和を唱えながらも、肉体的には戦争をやめることのできない社会。環境破壊が世界を滅ぼすと分かっていても、物質的豊かさを追い求める文明。これは精神と肉体が遊離した状態から起こる負の現象だと思えてなりません。この遊離した二つをつなぐものは、「心」以外にないのではないでしょうか。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー4− 食べ物は心の栄養素 私たちの心は、過去の野蛮な時代からスピリチュアルな進化を遂げつつあり、自由や平等、平和といった人類の普遍的なテーマを模索してきました。しかし、物質的豊かさを追い求める社会において、その進化にもかげりが見えてきています。戦争が正当化され、環境問題がコマーシャル化され、物事の本質が失われつつある今日、私たちの心は危機にさらされています。それは単に社会的な出来事だけではなく、心の原点である細胞のレベルから起こっている現象なのです。何が私たちの細胞に影響を及ぼしているのか。それは、水や空気や食べ物であることは言うまでもありません。そんな生命の源が、経済優先主義で作られた化学物質に汚染されることで、肉体的な病気はもちろんのこと、精神的にも病める社会を作っているのではないでしょうか。 ここに、1960年代の終わりにアメリカで行われた興味深い研究をご紹介しましょう。それは食べ物が精神にどんな影響を与えるかを、いくつかのハイスクールで追跡調査したものです。研究方法は学生の半分に対して、家族の協力のもと無添加、無農薬の食生活を半年間続け、一般の学生と見比べるというものです。その結果、安全な食品を食べた学生は、校内暴力や家庭内暴力がなくなり、感情も穏やかで、授業の集中力も高くなったという結果が現れました。この研究を行ったドクター・パール氏は、そのことを上院議会で報告し、全米で話題となり、その後オーガニックフーズが確立したと言われています。 日本ではスローフードが話題となり、食べ物に対する意識も高まってきましたが、ことの本質を深く掘り下げるまでには至っていません。また、最近では「食育」ということが言われるようになりましたが、ファーストフードチェーンのコマーシャルに利用される程度で、悲しい限りです。食べ物が心を作っているという観点からも、農薬や添加物について、もっと注意深くなってほしいものです。特に、子どもたちへの影響は、大人よりも大きいことを知ってほしいのです。健全な肉体と精神は、健全な心から生まれ、健全な心は、健全な水と空気と食から生まれ、健全な水と空気と食は健全な環境から生まれる・・・。この基本にたちかえることが、心のさらなる進化を迎え、エコロジカルな社会の実現につながるのだと思います。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー5− エゴロジーでは地球は救えない? 食べ物や生活に気を使うことの重要さは、言うまでもありません。しかし、現代社会において有害物質から完全に逃れることは不可能であり、社会から逃避して生きることなどできないのも現実です。そのため、有害物質の危険性を知ってしまった私たちは、とかくストイックになりがちです。でも、そこでストレスをためてしまうと、精神衛生上マイナスになり、逆に肉体や心にまで悪影響を及ぼします。 では、どうすればネガティブな現実を乗り越えることができるのでしょうか。それには、少々の化学物質や電磁波や排気ガスなどの有害物質をはねのけるだけの、強くしなやかな心身を育むことです。また、許容能力以上の危険物を察知する直感も大切でしょう。つまり、揺るぎない心の力を信じること。それは表面的な盲信ではなく、自然に培われた基本的な食物を摂り、自分の思いに素直なライフスタイルをおくることによって、基礎となる細胞がいきいきとすることで導かれる自信です。 心の力は想像以上に大きく、いかなるトラブルも乗り越える力を持っています。ただ、その力はほんの少しの不安があるだけで発揮されなくなるし、また、エゴイスティックな感情があれば、その力は逆にマイナス面に働いてしまうことも忘れてはいけません。有害物質の氾濫は、便利さや経済性を追い求める文明の副作用であり、それは私たちが招いた社会の結果でもあります。自分だけ安全なら良いという独りよがりの行動をとることは、ますます有害物質を増やす方向へ社会を導いてしまいます。また、無知なることも社会を破滅へと向かわせます。有害物質の問題点に気づいた以上、自分の身の周りを改善するだけでなく、できるだけ多くの人に伝え、共にエコロジカルな社会を作っていこうとする気持ちこそが、健全な心のあり方でしょう。 自然食品やエコ雑貨は、エゴイスティックな愛好家のためにあるのではありません。消費者の健康と共に、生産者の健康、そして生産現場の環境と地球環境を守りたいという思いや、社会をエコロジカルなものにしたいという願いによって作られています。その思いを、流通する側も使う側も共有することが、エコロジーショップの原動力だと思います。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー6− 何がリアルなのかを見極める心 この社会は、何によって成り立っているのか、考えたことはありますか。多くの人が経済と答えるかもしれません。しかし、経済のない社会ではどうでしょうか。南米やアジアやアフリカの奥地では、経済とかけ離れた生活を営む人々もいます。彼らは自然に囲まれ、自然の秩序の中に身を任せ、狩りや作物を収穫することで糧を得て、互いに分け合い、生活を維持しています。そこに住む人々からすれば、私たちの社会はどのように目に映るのでしょう。コンクリートに囲まれ、機械やコンピューターによって制御されたシステムの中で、数字を競い合い、糧を得るためのお金を手に入れ、生活を維持する。なんだか、同じ人間の生活とは思えませんね・・・。 たとえばアマゾンは何千年も熱帯雨林だったし、そこで生活する人々は、自然に身を任せるライフスタイルで、長い間自分たちの社会を存続させていたわけです。それに比べ、コンクリートの街並みは、コンクリート建造物の寿命が60年ということからして、100年後には同じではありません。ビルだけでなく、道路や橋、さらには日本の川という川に作られたダムも、その寿命からして、あと数十年後には崩壊の危機にさらされます。機械やコンピューターも同じでしょう。そこに身を任せ生活する私たちは、アマゾンに暮らす人々よりも、不安定なのかもしれません。このように、私たちの目の前に強固に存在すると思える現実は、自然の寿命からするとはかなく、もろい物です。そして、ここ数十年の短期的なエネルギー過剰消費によって成り立つ経済活動は、実はリアルなように見えるけれど、一瞬の夢なのかもしれません。なぜなら、この姿を維持するためには、スクラップ・アンド・ビルドを繰り返し、メンテナンスを続けるために、今以上にエネルギーと資源が必要だからです。 しかし、すでにエネルギーも資源も、地球の許容量を超えています。また、実際の経済はその十分の一以下で、ほとんどがバブル(虚構経済)だとも言われています。戦争や環境開発で、無理矢理お金を作り出し、虚構の経済を回しているにすぎない今、私たちには何がリアルなのかを見極める心が求められています。一瞬でもよいから、この経済の呪縛から解き放たれ、自然のサイクルに身を任せ、感性を養い、新たな経済や社会をイメージする。そんな自由な時間を持つことも、大切ではないでしょうか。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー7− この地球での人の役割・・・ 地球が一つの生命だとすると、地球上のすべての生物は、地球という大きないのちの細胞にあたります。そして、この地球上のすべての生命に心があり、その共通点は、生きようとする気持ちです。しかし、人は時として、自らの生命を傷つけたり、断ったりすることがあります。原因はさまざまですが、思考が心を見失うことによって、身体や心に反する行動を起こすのです。 なぜ、人の思考は生までも支配してしまうのか。それは、脳細胞が発達している結果だとも言われています。身体細胞の情報を収集し、そのコントロールを行う立場にあって、脳細胞はいつしか自分がすべての支配者だと錯覚し、身体を自分の思い通りにしようとするのです。しかし、実体は各細胞の痛みや叫びを聞くことなく、無理をすることで病気になったり、あげくに思い通りにならないとかんしゃくを起こし、破壊行為にでる・・・。まさに、人の身体で起きていることは、この地球で起きていることとリンクしています。 このことから見ても、人は地球の中で脳細胞にあたります。ただ、今のところは、脳細胞としての本来の役割に気づかず、自分勝手に身体を利用しているにすぎません。では、脳細胞の役割とは何でしょうか。それは、各細胞から発せられる心の声を聞きながら、身体の調和とバランスを保ち、環境に順応する方法を考え、危機を回避し、いのちを末永く継承することにその能力を使うことです。それからすると、今の人類はまったく逆のことをやっていることに気づかされます。 環境問題を語る上で、人類が環境破壊の元凶だという人がいます。確かに、今の人類はこの地球生命にとって、脅威です。でも、人類が地球における脳細胞としての本来の役割に目覚めたとき、その立場は一変し、この地球は本当の意味でバランスのとれたエコロジカルな星となり、宇宙の意志のもと、次の次元に向けて生命を継承する場になると思うのです。ただ、そうなるためには、私たち一人一人が思考だけに走ることなく、心の声を受け止める力を持つ必要があります。その力とは、ほんのひとときでも思考を停止させ、気を感じ、空を実感することで得られる悟りのようなものではないでしょうか。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー8− 幸せの本質・・・ すべての人は、幸せな人生を願うものです。しかし、幸せとはいったいどういうものかを、真剣に考えたことがありますか? 不幸があるから、幸せは相対的に感じるのだという心理学者の論でいくと、不幸がなければ幸せもないということになります。同じように、豊かさや貧しさ、美しさや醜さ、優劣、さらには善と悪ということまで、他者と比べることで私たちはそう判断することが多いでしょう。でも、果たしてその判断は正しいのでしょうか。陰陽を一つのものとするタオの思想からすると、幸不幸も善悪も、一つの球体が見方の違いによって変化するようなものなのだといいます。 それはまるで、アインシュタインの相対性理論にも似ています。私たちが当たり前だと思いこんでいる物理的な現象も、宇宙から見れば、違う真実が現れるというこの理論は、科学の進化を導きました。同じように、スピリチュアルな進化において、私たちは既存の相対的な価値観を超え、別の次元から自分たちのおかれている立場を判断することが求められているのではないでしょうか。偏差値に支配され、勝ち組や負け組という言葉で優劣を判断し、人のコンプレックスにつけこむビジネスが氾濫する現在、心は常に他人を気にし、平穏を失い、あげくには脱落して、自殺や犯罪に走る人も少なくありません。 では、どうすれば社会の相対的価値観から一歩離れて、自分を見つめることができるのか。その一つの方法論として、座禅や瞑想というものがあります。この言葉に宗教的なイメージを持たれる方も多いと思いますが、これは決して宗教の修行のためにあるのではなく、平穏な心を導く方法論として優れていることから、宗教が取り入れたと言った方が正しいでしょう。最近では、瞑想を取り入れることで、犯罪者の更正に効果が上がったという刑務所での事例もあります。また、瞑想をすることで身体の免疫力が上がることも報告されており、精神の病だけでなく肉体の病にも効果があるようです。 一日にできれば2回、食事前に15分から30分程度、静かに目を閉じる。そのとき、宇宙から見た地球を想像してみてください。そして、その美しい地球の中心にいる自分を想像してください。時間や数字に追われ、ストレスの中にありながら、静かに目を閉じ、空白の時間を持つ心の余裕があることは、とても豊かで、穏やかで、美しく、幸せなのではないでしょうか。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー9− 道具としてのお金のあり方 その昔、人は自然によって生かされていることに感謝し、畏怖の念を持ち、敬意と節度をもって、多くの生命と接していました。しかし、貨幣経済が主流になってからというもの、自然や生命までもがお金に換算される物として扱われ、環境を破壊し、生命を危機にさらして、経済は発展してきました。あげくには、お金さえあれば何でもできると勘違いする人も登場する始末です。 「お金」とは、単に人間が作り出したシステムであり、本質的な価値ではありません。物々交換のための手段であり、物の価値の目安として、お金という道具が生まれ、使われてきました。そんなお金がいつしか一人歩きし、人の心をとらえて放さず、さらには自殺や犯罪にまでもかりたてる存在にのし上がったのはどうしてなのでしょうか。それは、集団意識による錯覚のなせるわざとしか言いようがありません。 とはいえ、お金ほど便利な「道具」はなく、この道具をことさら否定する必要もありません。もちろん、道具を集めることにのみ執着したり、道具に振り回されたりすることは、具の骨頂でしょう。また、道具には上手な使い方と、下手な使い方があることも忘れてはいけません。道具は時として武器にもなり、人を傷つけたり自分を傷つけたり、自然を傷つけたりもするのです。 近年、地域通貨やエコマネーという新しい「お金」が出現していますが、これは言うなれば、人や自然を傷つけない「道具」を作ろうという試みです。それは、現在の経済システムの中で、お金が本来の道具の役目を超えて、不具合を起こし始めているからでしょう。また、いたずらなマネーゲームによって、一国の経済が揺るがされたり、人や自然が犠牲になったりすることも各地で起こっているからです。 20世紀初頭の経済学者カール・ポランニーは、『人間の経済』という書物の中で、世界中が同じ貨幣の価値観で機能することの危険性や不条理を述べています。お金という道具によって、各地域の自然や人の個性が否定され、束縛され、自由を失うという、まさに今起こりつつあることを、すでに彼は予測し警鐘を鳴らしていたのです。 お金に対して道具以上の付加価値を持つことは、欲望のスパイラルに拍車をかけ、満たされない思いとストレスを生み出し、人を幸せにするための道具が、人を不幸にする道具に変わってしまう・・・。心と身体と地球のバランスを考える上で、私たちは今一度、お金の「道具」としてのあり方を再認識する必要があるでしょう。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー10− 心と身体と地球がひとつになる時 人類の長い歴史からすると、私たちは今、科学の実験室にいるようなものではないでしょうか。経済も文明も、さらには住環境や食生活にいたるまで、この数十年間で激変し、その影響がどんな結果をもたらすか、その答えはこれから明らかになるものばかりです。そして、それがどんな結果になろうとも、私たちは甘んじて受けざるを得ません。なぜなら、この実験が過ちだと気づいたとしても、人類はすぐにやめることができないからです。 しかし、私たちがやめなくても、この実験にはいずれ終止符が打たれることでしょう。そんな未来を物語るように、地球規模で異常気象や自然災害が起こり始めています。データによると、1963年から1993年の間に台風や洪水や豪雪などの気象災害が410%も増加しているのです。さらに、1975年以来火山活動は500%増加し、1973年以来地震活動は400%増加しているといいます。それらがすべて人間のせいだとは言いませんが、何らかの影響は否定できません。そして同時に、タイマーのスイッチが押されるように、この地球は宇宙の大きな流れの中に突入しはじめています。ちょうど昭和から平成へ変化し、ベルリンの壁が崩されたその頃から、地球は1万2千年の周期で訪れる宇宙エネルギーの影響を受けはじめたといわれています。そして、その影響は地球や太陽系の惑星にとどまらず、私たち人間の感性にも、大きな変化をもたらすといわれているのです。 これまで当たり前だと思えていた社会がとても不自然に感じられたり、環境や自然がとても気になったり、自分自身の存在を再確認したくなったりなど、心の奥に潜んでいた未知なるものが吹き出してくることにとまどう人も少なくないのではないでしょうか。実は、それもこの宇宙と地球のバイブレーションが、心と身体にシンクロしはじめているからだとしたら、あなたはどう思われるでしょうか。 非科学的だ・・・と、一笑されますか? しかし、人類の科学は未熟で、試行錯誤の失敗の連続。そんな科学が巻き起こした環境破壊によって地球が震え、その声を感じ取っているあなたは、もはや科学を超えた存在です。現代文明の実験の無意味さに気づき、どうすればよいのか迷っているならば、この宇宙のダイナミックな流れに身をまかせ、地球と一体化することで、未来を導く鍵を手にすることができるのではないでしょうか。それは、はやりのエコロジーブームに振り回されるのではなく、また環境保護活動に自己満足して終わることでもありません。重要なのは、自分の心に素直になること。そして、自然とふれあい、自然を感じ、自分の中の自然観を育て、この地球と一体化する感性を磨くことが大切なのだと思います。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー11ー エコロジカルな未来像とは・・・ その昔、『鉄腕アトム』という漫画が子供たちの心を捕らえ、空中で交差する高速道路や超高層ビル、携帯電話やロボットなど、未来のイメージが憧れとして描かれていました。そして、その夢をかなえることが社会の目標となり、漫画に描かれていた未来都市は、今や現実の物になっています。しかし、その夢が実現してしまった今、社会は次の未来の方向性を失っているのではないでしょうか。あわせて、漫画に描かれることのなかった環境破壊や経済格差などの問題点も、私たちの前に大きく影を落としています。 人間にはイメージを実現化する力があります。でも、そのイメージがなければ、未来は漠然とし、不安が心を覆ってしまいます。では、私たちの望むべき未来とはどんな世界なのでしょうか。近未来都市は、近未来農村はどうなるのでしょうか。そのことをイメージできないために、未来は終末的なものとして受け止められています。これでは、子供や若者たちが希望を見失い、自分もこの社会もどうせ壊れるのだという刹那的な感情を起こすのも無理はありません。 はたして、皆さんの未来像はいかがでしょうか。10年後、20年後の自分が、どういう場所でどんな暮らしをしているのかを、イメージしたことがあるでしょうか・・・。ただし、昔の漫画のような夢物語ではなく、社会が抱える問題を直視し、その問題を解決する方向性を持ち合わせた未来像が求められるのは言うまでもありません。それは物質的なビジョンだけでなく、精神的なビジョンにおいてもイメージすることが重要です。 私は、子供たちにこんな話をしています。人は自然がなくては生きていけない。また、お金が無くても、食べ物があれば生きていけるのだと。そして、都会の高層ビルに暮らすのも良いけれど、自然の中でおいしい空気と水にかこまれ暮らすのは、とても豊かで素敵なことだと。そんな話の延長線上に、私は近未来の生活を描きつつあります。それは、環境を破壊することのない技術と、人々の調和がもたらす持続可能な生活様式です。お金のために自分や他人や他のいのちを粗末にする経済ではなく、いのちを守るためにお金がその役目を担う新たな経済です。規則や既成概念で縛られるのではなく、ハート(心)で人と人が集いあう社会です。それぞれの人々が、思いの力を信じ、自信を持って生きていける世界です。そんな未来像を描き、次の世代に伝えることが、私たちの役目ではないでしょうか。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー12− マインドとハートの調和 心を表す言葉に「マインド」と「ハート」の二つがあります。前者は脳の中にある意識でもあり、ものごとを考える「心・マインド」です。後者は胸や心臓のあたりに集約される心のイメージで、ものごとを感じる「心・ハート」です。マインドは合理主義、それに比べハートは直感主義。この二つの心のバランスによって人の個性も変わり、集団的心理においては社会のあり方も変わってきます。当然、人間の作り上げたこの世界も、この二つの「心」によって導かれ、現実化しています。そして、戦争や環境破壊も、私たちの心の結果だと言えるのです。 私たち人類はこれまで、物質的発展を求めるがゆえに、地球上の生命を滅ぼすことさえできる力を手に入れました。今やその力が、生命にとって驚異であることは誰もが分かっています。しかし、ハートで危ないと感じていても、マインドはさらなる発展を求め、力の増大を続ける社会がここにあります。このマインドとハートの関係は、男性と女性の関係にも似ています。男女共にこの二つの心を持ち合わせていますが、男性はマインドによって行動しがちであり、女性はハートによって動かされます。そして、現在の社会は、男性主体のマインド型社会とも言えるのです。そんな今、女性的な感覚が主役となるエコロジカルな社会が求められはじめています。飽くなき競争により肥大化する文明と経済からの脱却は、従来の男性主体のマインド型社会では無理でしょう。 今こそ、女性の気づきが求められているのではないでしょうか。男女同権という基本的な原理は当然ですが、それを超えて、女性だからできること、女性にしかできないことが、この時代にあるのだと思います。宇宙のリズムとシンクロする心身を持つ女性だからこそ、見えること、感じることがあるはずです。汚染される地球が、自分の中にある地球とリンクしていると知ったとき、この社会の危うさを直感できるはずです。そして、女性が目覚め、ハートによって行動するとき、男性はマインドコントロールから解き放たれ、この社会は生命を尊重する新たな時代へと変わるのだと思います。そう、未来を切り開く鍵を持つのは女性的感性であり、マインドではなくハートなのです。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー13− 二つの真理、「良い」と「とても良い」 メンタルエコロジーを連載し、これまで心と身体と地球の関係について書いてきました。手短にこれまでの結論を導くなら、それは「心、身体、地球はつながり合う生命の関係」ということです。生命とは単なる物質ではなく、心を宿す身体を持ち、多くの生命の調和によって地球という環境を維持し、未来へと生命をつないでいます。そんな生命とは、宇宙に存在する「愛」の結晶だと私は思います。そして「愛」とは漠然とした精神論ではなく、宇宙の根本的なエネルギーなのではないでしょうか。 ディープ・エコロジーを表現する言葉に「One Love. One Earth.」というフレーズがあります。これは「唯一無二の、愛と地球」ということです。私たち生命は、この「唯一無二の、愛と地球」によって存在し、生かされています。しかし、多くの人に生かされているという実感は無いかもしれません。それどころか、自然を思いのままにあやつろうとする科学万能社会において、生存すらも自分たちの能力のおかげだと錯覚している人がいるでしょう。その傲慢さゆえに人類は我が物顔で欲望を満たし、環境を破壊してきました。 でも、そんな身勝手さえも地球は受け入れ、互いに殺し合おうとも、他の生物を絶滅に追い込もうとも、宇宙はただ黙ってなすがままに静観し、その存在や行動を否定しません。結果として、私たちが滅亡に進むことも、平和な未来へと進むことも、すべてが一人一人にゆだねられているのです。つまり、宇宙の真理とは「否定しない」ということなのです。 ただ、人間は行くところまで行ってしまう危うさを持っています。そのために、宗教や道徳で行動を規制し、正義や悪が作られてきました。しかし、それすらも人間のエゴによって利用され、争いや破壊は耐えません。例えば、信心深い人であっても、兵士として戦場に出向き人殺しをすることは、悪を倒すための正義だから神は許すのだと言うのですから、おかしな話です。 どうやら、私たちの判断や行動は、その時々の権力や社会やモラルによって振り回され、利用されている恐れがあります。そして「あれはだめ」「これは悪い」というネガティブな判断は、目に見えない利害に利用されている場合もあるのです。ならば、私たちは何を基準としてものごとを判断したら良いのでしょうか。 そこで、この宇宙の真理に立ち返ってみてください。宇宙は何も否定しません。何をやっても「良い」のです。しかし、すべての責任は自分たちにあり、その行動の結果も自分たちに返ってきます。それだけに、悪いと言われていることは、その結果として自分たちに不幸として返ってくるものです。また、他者を否定することは、結果として怒りや憎しみといったネガティブな感情が起こるものです。といって、悪いと感じることまで肯定する必要はありません。その代わり、とても良いと感じることは積極的に肯定し、「とても良い」ことを実践することで起こる良い結果も、自分に返って来るものなのです。 つまり、宇宙の真理には「良い」と「とても良い」という二つの答えしかないのです。そして、私たちがとるべき道は、なにも否定することなく、「とても良い」ことを目指すことではないでしょうか。それが、平穏な心を導き、敵を作らず、争いのスパイラルを絶ち、環境と調和した豊かな社会への近道だと思うのです。 | ||||||
【メンタル・エコロジー】心と身体と地球の関係 ー14− メンタル・エコロジーとアセンション 最近、アセンションという言葉を良く聞きます。直訳は上昇という意味ですが、魂が進化することを表す言葉として使われています。さて、私はこれまで心と身体と地球の関係について書いてきましたが、真にエコロジカルな世界がこの地球に訪れるためには、心も身体も地球も一体になるアセンション(魂の進化)が求められているのだと感じています。ただ、アセンションという言葉をインターネットで検索すると、これはどうかなと思うようなものもあります。また、フォトンベルトという宇宙の光子エネルギーと共に語られることも多いようです。私たち生命は宇宙に誕生したエネルギーが変化し、この肉体を持つようになっただけに、宇宙で起こる現象の影響を受けるのは当然でしょう。しかし、時に終末的に語られるこれらの話に振り回され、不安な思いを抱くことは、とても良いとは言えません。アセンションの本質とは、目の前で起こっている社会現象を、他人事として見るのではなく、自分の心と身体に起こっている自分自身の問題として受け止め、見つめ直すことにあるのだと思います。 この世界は人々の集団意識によって動き、存在しています。人々が求めたからこそ今があり、その結果としてさまざまな問題が起こっています。その問題に多くの人々は気づいているのですが、切実ではありません。民主主義という多数の意見を優先させる社会において、少数の犠牲はしかたないと割り切られるのが現実であり、ましてや言葉を発しない動物や植物のメッセージには耳を傾けようとしません。このような社会システムに頼っている以上、世界で起こっている問題は本質的に解決しないでしょう。では、どうすれば生命が調和しあうエコロジカルな世界になるのでしょうか・・・。 それは、私たち一人一人が変わる以外にありません。他者にまかせたり、何か大きな力を待ったり、誰かをたよったりするのではなく、自分が中心となって変化を起こす渦となることが求められているのです。あなたの人生において、あなたが主役であるように、一人一人がこの宇宙の中心であり、宇宙に影響を与えるだけのエネルギーを有しています。そのことを自覚し、心の中で渦を起こそうと思うだけで、あなたと関連する世界は変化していくのです。そう、その変化こそがアセンションであり、それは他の力によって変化させられるのではなく、自分自身の意識が跳躍することで起こることなのです。 目を閉じて、感じてください。心を開き、願ってください。祈りと慈しみをこの地球に降り注いでください。メンタル・エコロジーがあなたの中で実現したとき、きっとこの世界もアセンションして行くことでしょう。 | ||||||